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2008年4月 8日 (火)

父ちゃん、この俺のブザマを見てるかい?

05/10/21 (金)

【私的めもらんだむ】
 

ロータップ納品の際、今日は監督から単価の一件を切り出してきた。500円の上げでどうか?という。私は1000~2000円の枠で考えていたので、これにはショックだった。現時点での材料費は平均およそ700円の値上がり、それに来月はまた再値上げが予告されている。それを見越しての1000~2000円枠だったのが、500円では僅かな利益ですら食われてしまう。とりあえず私は700円を提示、監督は「顧客に値上げを強要できないのと同じで、材料費の値上げ幅をそのまま製品単価に反映することはできない」と云い、私は「それは承知しているが、すでに値上がりした材料で仕事をせざるを得ないこっちの事情も分かってほしい。地代も払えない状況下で追い出される寸前なのに利益が出なければ店じまいするしかない」と云う・・・「それはそっちの事情だろう。我々の責任範囲外のことだ。社長は300円ぐらいの値上げ幅しかみていない」・・・ガーン!!!である。このバカ社長!下請けを殺すつもりか!と口に出そうになったが、何とか言葉を呑み込んだ。数年前のあの時、社長は云ったはすだ「何とか仕事を続けてもらえないだろうか?この仕事はオタクでしか出来ない。単価を上げてもいいから頼みます」と、あれ以来私は一度も単価の値上げは口にしていない・・・それが今たった300円の値上げで済まそうとしているのだ。ヤッテラレルカ!

「明日から会社を辞めます、では困るんだ」と監督、「前の車両元請けみたいなことはしない、出来ない。あの時はこっちもバッサリ切られましたからね。それが全てのトラブルの元にもなっている。ただ、そうした経過を辿ってきたこっちの事情が色濃く影響していることだけは分かってほしい」と私、「こちらとしては仕事をキチンやってほしいだけだ。現時点での値上げ幅は材料費の範囲内で考えてほしい」と監督・・・「それは分かる。しかし数年来の作業を通じて、仕事に見合ったおよその単価を割り出しながらの単価提示だ。700円は譲れない」・・・社長は300、監督は500、私は700というわけだ。それぞれたった200円ぐらいの差額だが、それが継続して加算されればけっこう大きくなる。この瞬間の決定事項が数年間に及んで固定されるのだから、いわばお互い踏ん張り時の正念場なのだ。といいつつ自分でもバカらしくなった。

で、今仕事を放棄してコレを書いている。全く次の仕事をする気が起きない。かといって今日はこれから頼んでいた材料も入荷してくるし、結局は重い腰を上げることになるんだけれども・・・萎えた心が再び勃起するには時間が必要だ。近頃の現代アートはプロセス重視の傾向にあるのだそうだ。これは現代社会にも大きな問題を投げかけてくる。全てはカネだ、結果だと、経済効率の極限で押し潰されるその人間存在を復活しようとするならば・・・当然の帰結であろうと・・・一人閑散とした工場で孤独な作業を継続してきた私にも分かるし、当てはまる。拝金主義社会にあっては無駄でしかない心の領域を、現代アーチストは直感的にその危機を感じ取っているのだ。私はアナタを思っている。アナタは私を思ってくれますか? 自分が思うほどに相手には思われず、自分が忘れた相手から突然電話がかかってきたりする。元気?・・・誰?・・・アタシよ、もう忘れたの?・・・そんなこともあった、過去形が哀しい。思いにカネは要らない。価値形態ですら無意味な心の領域を広げて、埋没し包み込まれながらいれば・・・それはそれで幸福だと云えるんじゃないか? 無限の心の世界、その中で、一瞬でも幸せだと感じられるならば、それを取り逃がさずに心にシッカリ固定する。繰り返し繰り返されるプロセスの渦中にこそ私の全存在が有ると・・・今日も閑散とした工場の中で孤軍奮闘する自分がいて・・・父よ母よ、そして友よ・・・と心の内に呟き続けている。午前11時。


まただ・・・いつまで待っても頼んだ材料が来ない。配達の若衆、パチンコが大好きらしいから、パチンコに夢中になって忘れているんだろう。つい数日前にも、再度の催促をしてようやく届いたばかり。パチンコがそんなに好きなら、配達を終えてからやるとか、考えられないのだろうか?もう云うべき言葉がない。監督も同じことを云ってた。怒りすら萎えてくる、問題外だ。仕事をしたくても、仕事が無くて困っている連中が世に溢れているというのに・・・1兆円用意するのは造作ない、などとのたまわるIT成り上がり共々、テメエらみんな自分の尻の穴に頭突っ込んで消えてしまえ!!!15時・・・今日はもう仕事は止めた、つーか出来ない。


16時、工場に行ったら注文の材料がポツンと置いてあった。ひとこえ、声をかけてくれと云ってあるのに、いつも逃げるように立ち去る。今からじゃ仕事にならねえんだよ、アホ。PG80「リッチマルーン」3.6k、11200円・・・前は10500円、やはり700円の値上げだ。それに消費税560円が加わる。特にこのリッチマルーンは高価で、監督に前から別の色系の材料にしてほしいと頼んでいるのだが「この材料でなくては駄目だ」と云われている。これでは利益が出るはずがない。2万に満たないベース(標準12000円)にほぼ同額の材料を用い、ちょっとでも傷があると全面吹き直しを命じられる。それでも仕事があれば嬉しいし、心も充実するというもの・・・凸凹だらけの鋳物にパテを付け、磨いて磨いて、塗料を吹き付けて、表面を鏡のようにピカピカに仕上げていく。そんな自分の労苦に報いるのが一杯の安ワインだったりする。この達成感に酔いしれる僅かな楽しみのために仕事をしているようなものだ。それもそろそろ出来なくなりそうだ。地主は今から「正月前には二ヵ月分の地代を払ってほしい」と云うし、固定資産税とかの督促状来てるし、材料代の支払いを考えたらヤッテラレナイことになる。そんな時に脳裏に浮かぶのがとっくに死んでしまった父のことだ。

051004tyoro5 父ちゃん、この俺のブザマを見てるかい?いつ潰れてもおかしくないまでに傾いた今でも、俺は父ちゃんの会社にまだ居るよ。会社丸焼けになってもまた再建した父ちゃんだもの、その会社だもの・・・たった一人になっても俺だけは逃げられないんだ。父ちゃんは何十人という職人を束ねてきたけど、俺はいま15匹の猫を束ねている。と人間じゃ大違いだね。「出勤のたびにオマエの家の前を通るんだが、なんか窓からいっぱいが顔出してるな」と同期生のKに云われた。嫌いの隣の奥さんに睨まれながら、同業者には「あいつ何考えてんだ?」って嘲笑されながらも、やっぱり子猫チョロ松は可愛いんだよ。今も膝元でチョロ松が寝入っている。隣の奥さんが俺の家を猫屋敷だって、みんながそう噂してるって、わざわざ教えてくれたよ。嫌いの奥さんてば、そんなこと教えてくれなくても想像つくべさ。
明日はベースをオービタル・サンダーで磨く。その後にはもう一台ベースが入ることになってる。凸凹の鋳物がどんなに綺麗に仕上がるか、神様に献上するような気持ちで取り組みたい。そんな心さえ保っていれば、俺は職人として誇りをもっていられる。そう思うし、それしかない。父ちゃん、俺、間違っているか?

人ごみに、吼えて荒野に立つ想い、野ざらしの野性のままで

23時
今日はダラダラ日常を書き綴り、まとまりのない文章になってしまった。反省。出勤のたびに我が家の前を通る同期生のことを書いたが、その同期生Kからさっき電話があった。私のHPをやっと覗くことが出来たという。「なんか鳥の写真あったな」というから私のHPに間違いない。仕事中だったので短い間しか覗けなかったと、以後、延々と電話での長話になった。確か先々週にも電話があって、その時も長話になったっけ・・・話べたな奴が珍しいな。私の中学の頃、はにかみ屋だったと・・・そんなこたぁ、覚えてないべ。そういえば監督もインターネットやってるはず、ここにバカ社長なんて書いたけどバレたかな?弟も私のHPは知ってるはずだ。高校生の息子もパソコンやってるらしいから、すでにここ覗いているかも知れない。大きくなっただろうなぁ、いま会っても分かんないな、多分。オジさん頑張ってますよ~なんちゃって。ガラじゃないよな。

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